京都ジャズ喫茶妄想回顧録5

|エピソード5|@三角堂「マッチ」 5月の緑眩しい午後、納戸で古い記憶を探していた。確か、透明のよくあるプラスチックの収納ケース。 見つけ出した頃には、窓から傾いた日差しが入ってきていた。 その記憶は、ケースの中に仕舞い込んでいたはずのジャズ喫茶のマッチ。70年代の学生の頃、毎日どこかのジャズ喫茶へ行き、珈琲一杯で散々レコードを聞いた。まだ最新アルバムやレアなアルバムをすぐに聴けることが貴重な時代、情報も少なく、さらにジャズ喫茶のオーディオシステムで聴く臨場感のある音は夢心地だった。...

京都ジャズ喫茶妄想回顧録4

|エピソード4 |@ジャズバーMrika「タイムトリップ」 70年代後半、ジャズ喫茶というよりジャズバーというのが相応しいその店で、しょっちゅう友人Sと飲み明かし、語り明かし、若さの若さたる所以を満喫していた。よく、最終を逃したヘベレケの僕たちに散々ジム・ホールとアート・ファーマーを聴かせて、始発まで夜明かしさせてくれた。 今は、こんなバーがどれだけあるのだろう?...