京都ジャズ喫茶妄想回顧録8

|エピソード8|@喫茶P「センチメンタルジャーニー」|   梅雨の雨が終わりの兆しを見せ、いよいよ蝉が朝から鳴き始めた午後、今日もいつも通り店を開けゆっくりとレコードの選盤をしていた。 暑くなりそうな初夏の日差しが大きな窓からギラギラと差し込んでいる。 その時、店の重いドアが開きパナマ帽にジャケット姿の老齢の紳士が入ってきた。 「やってますか?」 2000年代、ジャズ喫茶の客は多くはない。うちも同様に静かな営業だったから店内を見て尋ねたのだろう。 「やってますよ。いらっしゃいませ、どうぞ」...